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2026.11.04【特集】新潟市の「アリーナ構想」どう変わる?他県の先行事例から探る【新潟】

【特集】新潟市の「アリーナ構想」どう変わる?他県の先行事例から探る【新潟】
アリーナの完成予想図
新潟市が打ち出した『アリーナ構想』。10月の市長選挙でも議論されましたが、にぎわいの創出や人口減少対策の起爆剤となるのでしょうか。アリーナが新設され、街のにぎわいに変化が出始めている他県の事例からその可能性を探ります。

■岡拓哉アナウンサー
「新潟市がアリーナの建設を予定しているのが、信濃川・やすらぎ堤に沿った中央区の白山エリアです。いま立っている新潟市体育館、その隣の陸上競技場サブトラックを廃止して、その跡地にアリーナを建設する計画です。」

こちらが『アリーナの完成予想図』。新潟市は完成時期を『令和10年代中盤』、7年後の2033年ごろと想定しています。収容人数は1万人規模を目指し、プロスポーツや国際大会・音楽コンサートに加え、国際会議や展示会などを呼び込みたい考えです。

10月の新潟市長選でアリーナ構想を訴えた中原市長は、次点に大差をつけ3回目の当選を果たしました。

■新潟市 中原八一市長
「次の世代の若者や女性に夢を描いていただけるように、白山エリアにアリーナをつくって元気や新たな楽しみを与えたいという思いでいっぱい。」

アリーナ構想の背景にあるのが〝人口減少〟。新潟市はとくに20~24歳の転出が多いのが課題です。県の調査では新潟の若者が首都圏を選ぶ理由として「若者が楽しめる場所や施設が少ない」とする声が多くなっています。

■新潟市 中原八一市長
「アリーナができればかなりの数の人たちが訪れることになるので、そこから流れていく人のにぎわいや楽しませてもらうような飲食店など、そういうものが少しずつできてくるのではないか。」


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新潟市はこれまで全国10自治体のアリーナを視察。アリーナを核とした街づくりは、交流人口の拡大や民間投資の喚起・地域経済の活性化など、人口減少対策としても効果的な可能性があると強調しています。整備には民間の資金やノウハウを活用するPFI方式の導入を検討していて、建設時の財政負担を抑える狙いがあります。

■新潟市 中原八一市長
「スポーツの試合を見たりライブを見たり、その他のエンターテインメントを楽しめる多目的な施設なんだと、新しい街づくりができていくことを市民に伝えていく必要がある。」


地方都市のアリーナ建設について、専門家は・・・。

プロ野球・千葉ロッテマリーンズの事業副本部長として、千葉マリンスタジアムの運営などに関わった新潟経営大学の島田達人准教授に聞きました。

■新潟経営大 島田達人准教授
「これからの時代〝リアルな体験〟という時間の価値はますます重要視されていく。新しい時間の過ごし方を提供する意味でアリーナに対して期待したいと思うが、どのような価値を生み出していくか、市民の誇りになるような施設が合意形成のもと形作られると良い。」

島田准教授が人口流出を背景としたアリーナ建設で「好事例」として挙げるのが、2024年10月長崎県に誕生した『長崎スタジアムシティ』です。

■新潟経営大 島田達人准教授
「スタジアムの真横にホテルができたり、商業施設ができてスーパーも入っている。このスーパーで買ったものは、試合会場でも食べて大丈夫という形になっている。」

サッカースタジアムに加え、ホテルや商業施設・オフィス棟などを長崎駅から徒歩約10分の場所に一体的に整備。大手通信販売のジャパネットホールディングスが1000億円を投じて建設し、2026年の来場者見込みは535万人。前年を14%上回っています。

同じ敷地につくられたのが、プロバスケットボールチームの本拠地になった『ハピネスアリーナ』。収容人数は約6000人です。全席にクッションとドリンクホルダーが付いていて、通常は2階席に設置されることが多いVIPルームも1.5階に。プロのプレーをより近くで感じられるよう工夫されています。

■リージョナルクリエーション長崎プロジェクト推進部 藤澤翔部長
「可変型に座席を変えることができるのが特長。バスケットボールは6000席だが、イベントの形態に合わせて1000席から5000席まで可変的にできるところがひとつ特長。」

長崎スタジアムシティの経済効果を調査したコンサルティング会社のまとめによると、開業3年目となる2026年の長崎県への経済波及効果は378億円と推計。そのうち、サッカーやバスケの試合の開催に伴う施設内で生まれる需要が約200億円。一方、施設の外、長崎県内のホテルや飲食店、そこにつながるサプライチェーンへの需要が全体の47%、178億円の効果があったと発表しました。

■新潟経営大 島田達人准教授
「試合のない日もスタジアムのスタンドは開放されている。近所の人が散歩に来てご飯を食べたり、そこで話をしたりというコミュニケーションの場になっている。」

もともと、新潟と同じように若者の人口流出や経済の停滞を打破しようと建設された『長崎スタジアムシティ』。コンサルティング会社の調査では、スタジアムシティ内の飲食店やオフィス棟・スポーツクラブの運営に伴い、4600人以上の雇用が生まれました。これは、長崎県の年間の転出超過数に匹敵します。


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もうひとつ、街づくりのツールとして機能しているアリーナがあります。2025年2月に香川県高松市に誕生した『あなぶきアリーナ香川』です。建設費は約202億円で、収容人数は新潟市のアリーナの想定と同じ1万人規模。中国・四国地方では最大規模です。

香川県によると、開館から約1年で来場者は延べ約84万人。稼働率は94%で著名なアーティストのコンサートも定期的に開かれています。あなぶきアリーナが立地するのは、高松市中心部の商店街から約800m。徒歩で12分程度の場所です。香川県の調べでは、アリーナ開業後の各地の来訪者は、アリーナ立地エリア・駅周辺・約800m離れた商店街いずれも2倍前後増加しました。人気アーティストのライブ開催時などは、近隣の商業施設の来館者が平常時の2倍、5万人に上ることもあるといいます。

■高松オルネ 原田宏樹館長
「ファンの皆さんが喜んでもらえるように、各ショップでポップや商品を出して歓迎ムードを施設全体で演出している。」


新潟市のアリーナは、もっとも近い駅のJR白山駅から約600m、徒歩で10分程度の場所。古町の中心部までは徒歩で17分程度かかります。他県の事例を踏まえ、どうしたら街の成長につなげられるのでしょうか。

■新潟経営大 島田達人准教授
「アリーナという拠点ができることで、人が行きたいという目的は発生する。より長く前後の時間、長時間滞在してくれるのか。3時間立ちっぱなしでライブを見たあとに、また散歩をするかどうか。それよりも推し仲間と一緒に何かおしゃべりをしたり、ここでしか買えないもの・食べられないメニューがあれば立ち寄ってくれるかもしれない。施設とセットでどういう仕掛けをするか考える必要があるのではないか。」

新潟市のアリーナはどんな工夫が施され、どのような計画で周辺整備が進められるのか。そして、事業規模はどの程度になるのか。新潟市は、民間事業者と対話しながらできる限り早期の開業を目指します。
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