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2026.10.28【特集】3候補それぞれの舞台裏 現職「大勝」の背景:新潟市長選【新潟】

【特集】3候補それぞれの舞台裏 現職「大勝」の背景:新潟市長選【新潟】
選挙戦を振り返る
3人が立候補した『新潟市長選挙』は、現職の中原八一さんが次点の候補に約9万7000票の差をつけ勝利しました。現職が〝大勝〟した背景には何があったのか、選挙戦を振り返ります。


現職の中原八一さんが約14万3000票を獲得し、3選を果たした新潟市長選挙。

■中原八一氏
「より『輝きを増す新潟』を必ず実現していく。」

選挙戦では、新型コロナウイルスや能登半島地震の対応・『にいがた2km』エリアへの企業誘致など、2期8年の実績をアピールしながら都心軸を鳥屋野潟南部に広げることや、アリーナの新設など新たなまちづくりを訴えました。

無所属での出馬でしたが、脇を固めたのは市議会保守系会派『翔政会』の市議や自民党の国会議員・県議ら。自民党は、2月の衆院選と5月の知事選に続く勝利を狙い、組織戦を展開しました。

■自民党 内山航衆院議員
「中原市政の継続を皆さんが是とするかというところがポイント。市政も県政も国政も継続していくこと、まちづくりの方向性を一定の方向に向けていくことが大事。」

■自民党 高橋直揮県議
「新潟市と新潟県の連携は重要なことと考えている。政令市の県議として、新潟市の発展のためには中原市長が必要だと訴えていきたい。」

県議や市議は、半年後の統一地方選も意識。街頭演説や個人演説会で応援に立ちました。

■市議会会派「翔政会」荒井宏幸市議
「貯留管・貯水池こういったものすぐできることじゃない。分かっているからすでに新潟市の下水道計画にしっかり組み込んでいる。これが間違いなく、この東区でも実行される。」

■市議会会派「翔政会」林龍太郎市議
「中原八一が市長でなければ新潟市の発展、この秋葉区の発展も止まってしまう。」

中原さんを支援した市議の一人は「みんな自分のためにも頑張った。向かっている方向も一緒だし、いい選挙ができた」と手ごたえを口にしました。

結果として、市内8区すべてで過半数の票を獲得。アリーナの新設など中央区に関する公約が目立つなか、周辺区での支持固めにも成功しています。

■自民党 佐藤純県議
「自分の選挙と同様の選対を組んで、いつでも戦える準備をしておかなければいけない。我々にとっては非常にいいスタートを切れる。来年4月にきちっとした戦いができる土壌は整えさせていただいた。」

■市議会会派「翔政会」代表 古泉幸一市議
「市長とともに仕事をするのであれば、半年後の我々の選挙もあるからしっかりそこに向かっていこうという新たな決意にもなった。」

その一方で、選挙期間中はこんな声も聞こえていました。

■支援した議員
「個人演説会などのアナウンスをしても『中原さん今回は大丈夫だからいいわ』と言われる。」

■支援した議員
「知事選のときと同じようにやっても人が集まりにくい。」

実際、序盤の演説会では空席もあり、応援の議員たちは支援者の引き締めを図りました。さらに、市長選自体への〝関心の薄さ〟も不安視されていました。

■市議会会派「翔政会」代表 古泉幸一市議
「現職の市長なので王道の選挙をやるように心がけているが、なかなか市民の皆さんの関心が薄いところに危機感を感じている。」

投票率は、前回の市長選こそ上回ったものの過去5番目。政令都市移行後では3番目に低い35.61%。中原さん自身の得票率も63.8%。前回から10ポイント落としました。

当選後、中原さんは・・・。

■3回目の当選 中原八一氏
「一定の評価をいただいた反面、得票率や投票率等も低下している。そのへんは受け止めて、これから市政運営に生かしたい。」

選挙戦最終日、マイク納めとなった西区の佐潟で集まった支援者にこう訴えました。

■中原八一氏
「たくさんの公約を掲げた。あれは単なるスローガンだったということは許されない。しっかりと財源を作ってこれらの課題を解決をし、政策を実現するために全力で市長として新潟市政のかじ取りをやらせていただきたい。」

大きな財源を必要とする公約もあるなか、実現への手腕が問われます。

■3回目の当選 中原八一氏
「非常に財源がかかる問題。国に支援を求めているところだが、国との連携も重要。実現に向けて精いっぱい努力したい。」


―――――
■落選した 青木学氏
「戦いに皆さん一緒になってご参加いただきましたことに心より感謝申し上げます。」

前市議の青木学さん。人に寄り添う市政への転換を訴えましたが、現職の壁を打ち破れませんでした。

■青木学氏
「この現市政を転換し、市民がより豊かで夢と希望を実感できる新しい新潟市を築いていきたい。そう決意している。」

公約では、小学校の給食費無償化の継続や『にいがた2km』を超えた市内8区全体の発展など、現職との違い明確に示す政策を並べました。しかし、獲得した票は中原さんの約3分の1でした。

■落選した 青木学氏
「現市政に対する疑問を感じている方とか、批判的な方の票がもう少し集まるかなという感覚は持っていましたけれども。やはり時間のなかで思ったほど浸透させることができなかった。」

青木さんが「新たな選択肢を示す」と立候補を表明したのは、告示約2週間前。国会議員を擁する立憲民主党の候補者擁立が難航するなか、野党各党や市民有志らがどの候補者がもっとも「集まりやすいのか」調整を重ねた末の結果でした。

■青木選対 佐々木寛顧問
「国会議員も含めて、青木さんであれば結集できたということが大きかったかなというふうに私は思います。それから、新しい政治をつくりたいという思いはじつは底流にみんな共通していた。」

野党系市議らは個人が自主的に支援する形をとり、街宣でマイクを握るなどして支援。視覚障がいのある人やLGBTQ当事者などが支援団体の共同代表に名を連ねるなどして『市民と野党の共闘』の実現を狙いました。

■共産党県委員会 樋渡士自夫委員長
「青木さんだから市民と野党の共闘、全国的には相当苦労しているから。そこがきちんと持ちこたえたのが一番の、この選挙の収穫だと私は思っています。」

では、なぜ訴えは浸透しなかったのか。

市民連合の共同代表で選対の顧問を務めた佐々木寛さんも、青木さん同様『短期決戦』となった点を挙げました。

■青木選対 佐々木寛顧問
「やっぱり時間が足りなかったのと、内側の思いや熱量が外側に伝わるまでにもう少し時間が必要だったと思います。」

一方で、支援者からは「責任者が誰なのかわからなかった」との声も上がっています。今回、野党系の国会議員が青木さんの応援に入る場面は限られました。

選挙戦最後の日曜日。中央区万代で開いたトークショーにもその姿はありませんでした。

■民主改革の会 西村智奈美衆院議員
「国会開会中ということがやっぱり一番大きかった。確認団体の車は乗れるときに乗ったが、なかなか調整が難しかった。こちら側は挑むという立場なので難しいところがあったのかもしれないと思う。」

集めきれなかった現職への批判票。青木さんは、もう一人の新人・早武淳さんの存在についても言及します。

■青木学氏
「結果からすれば、現市政に対して疑問だとか不満を持っている皆さんの票が、こういう形で分散したというか分かれたのかなと見ていた。」


早武さんは、SNSでの発信と各区での個人演説会のみという独自の選挙戦を展開し、政策の優先順位と評価基準を明確にすることを訴えました。民間出身で初めての選挙ながら、青木さんとの票差は1万2000票でした。

■落選した 早武淳氏
「これまで政治に関心のなかった・市政の将来に興味のなかった人に関心を持ってもらい、どれだけ議論をしてもらう、そういうきっかけを作るかというのも大きな目標の一つであったので、この点については一定の成果をあげられたと自分自身評価している。」

新たな批判票の受け皿として、一定の存在感を示した早武さん。一方、野党は統一地方選に向けて戦略の立て直しを迫られています。
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