2026.10.14【特集|新潟市長選】旧西堀ローサ、アリーナ新設など「まちづくり」3候補の政策は?:候補に聞く②【新潟】
「にいがた2km」3人の候補はどう評価しているのか
10月25日に投開票が行われる『新潟市長選挙』には、3人が立候補しています。届け出順にいずれも無所属で、新人の早武淳さん、新人の青木学さん、現職の中原八一さんです。
市政が抱える課題について候補者に聞くシリーズ企画、2回目は『まちづくり』です。アリーナの建設など大型の整備事業も検討されている中、それぞれの候補はどのようなまちづくりのビジョンを持っているのでしょうか。
―――――
人口減少が進む中で、どのような『まちづくり』をしていくのかも今回の選挙の争点の一つです。新潟市はこれまで拠点性の向上を目的に、新潟駅から万代・古町をつなぐエリアを「にいがた2km」と銘打ち、都市空間の構築や企業誘致などに取り組んできました。2026年度は関連事業に20.9億円の予算を投じています(駅周辺整備事業を除く)。
この「にいがた2km」について、3人の候補はどう評価しているのか。
新人で経営人事コンサルタントの早武淳さんは、もっと投資するエリアを限定して取り組むべきと話します。
■無所属・新 早武淳候補(60)
「新潟駅から古町まで空間的には2kmだが、機能もなにも統合されていない。分散された状態のものをスローガン的にまとめるのは『にいがた2km』と言いやすいが何がつながるか。広げすぎ。2kmである必要はどこにもない。」
まず優先的に取り組むこととして、古町エリアを『夜の迎賓都市』として活性化することを公約として掲げます。
■無所属・新 早武淳候補(60)
「古町は日本三大花街のひとつに挙げられる。インバウンドの観光客や県外の富裕層、そういう人たちが一晩10万、20万、30万と落としてくれるような仕組みを作って、夜の古町が間違いなく活性化するので、市民も『久々に古町くり出すか』となる。」
新人で前市議の青木学さんは「にいがた2km」への集中投資を問題視し、事業の検証と見直しをすべきと話します。
■無所属・新 早武淳候補(60)
「ちょっと私はバランスが悪いと思っている。8区の皆さんがそれ(にいがた2km)によって自分たちの地域が豊かになっているな、発展してきているなという実感はほとんどないのではないかと思う。」
そのうえで、8区全体でバランスのとれた予算配分が必要だと訴えます。
■無所属・新 早武淳候補(60)
「北区ではトマトの生産だとか、西蒲区では観光とか取り組んでいるが、各区の中心的な産業だとか地域事業に対しても予算を投じて、各区民が近いところでうちの地域は元気になってきているなと実感できるような方向性で取り組んでいきたい。」
現職の中原八一さんは「にいがた2km」エリア内への企業誘致によって新たな雇用が生み出されたと強調します。
■無所属・現 中原八一候補(67)
「にいがた2kmエリアを安心安全なエリアとするため老朽化したビルの建て替えを促進し、併せて企業誘致を促進し、これまで50社を超える企業と2000人以上と見込まれる雇用を生み出した。」
さらに今後は、現在開発が進む鳥屋野潟南部まで都心軸の範囲を広げ『駅南エリア』のビジョンを示すと話します。
■無所属・現 中原八一候補(67)
「必ずしも一つの場所に人が集まる場所がある必要はなくて、いくつか魅力ある場所が 魅力あるまちづくりがあることによって新潟のまちもにぎわうと思うし、市民の楽しみや喜びもある。」
―――――
新潟市のまちづくりにおける課題の一つが『旧西堀ローサの再活用』についてです。
1976年に開業し、ピーク時の売り上げは年間50億円にのぼるなどにぎわいを見せた地下街ですが、時代の流れとともに客足は離れ 2025年3月に営業を終了。その後、市は跡地の活用をめぐりプロジェクトチームを作り、有識者会議などを開くなどして検討を重ね、13日に約330mある地下街を分割して活用する6パターンについて初期工事費用の試算を公表しました。
もっとも試算が低かったのは、『中央広場のみを地下通路として活用』する案で工事費は約90億円。『地下街としてフルリニューアル』する案では150億円かかり、分割して活用する場合と費用の差は数十億円になりました。
早武さんは、優先して取り組むべき課題ではないとし、再活用については「埋め立てによる廃止」がもっとも自身の考えに近く、商業的な利用は困難であるという考え方を示しました。
■無所属・新 早武淳候補(60)
「西堀ローサは市民にとって必要ですか。南区とか西蒲区とか北区の人、西堀ローサいりますかって聞きたい。古町は昼の商業集積地の役割としては終わったんです。西堀ローサはどんなに部分的なところから実験的にやっていこうとしても復活はほぼない。」
青木さんは「地下にお金と労力をかけるより、地上の古町にお金と労力をかけるべき」と主張。最低限度の支出に抑えるようなやり方をしていきたいと話します。
■無所属・新 青木学候補(60)
「現状の形を残して、そこには人が入れないような形にすることも一つの選択肢。地上でさえも空き店舗が多くある状況、まずはそちらの活用を考えていった方がいい。」
中原さんは公共的な利用をメインとする一方で 一部商業的な利用も検討するとしており、2026年度中に利用方針を決定するとしました。
■無所属・現 中原八一候補(67)
「新潟市が持っている財産なので、そのままほったらかしておくのも難しい。最低限のただ歩くだけでもかなりのコストがかかる。であれば活用した方が市民のためにはいいのではないか。」
―――――
そして、もうひとつ注目の事業が白山エリアで検討が進む『アリーナの新設』。
現在の新潟市体育館とサブトラックを廃止した跡地を活用する方針で規模は1万人を想定。開業は7年後の2033年ごろだということです。新潟市は民間の資金や経営力を活用するPFIによる運営を想定していて、民間事業者と対話を進めています。大規模なコンサートやプロスポーツチームの試合などで交流人口の拡大が期待される一方で、周辺交通など課題もあります。
それぞれの候補者のスタンスは・・・。
■無所属・新 早武淳候補(60)
「優先順位が私の中ではとても低い。いま考えなくてもいいのではないかが回答。アリーナの建設を5年・10年遅らせたって市民が死ぬわけじゃない。でも防災対策をやらないと、いまの新潟の体制だと死傷者がものすごい数になる。」
■無所属・新 青木学候補(60)
「アリーナ建設そのものは、私もいいものだなと思っている。県全体にもたらす効果が大きい。新潟市民だけが財政負担を負うべきものではない。県の方にきちっと財政負担という形で支援をしてもらわなければいけない。」
■無所属・現 中原八一候補(67)
「アリーナができれば、かなりの数の人たちが訪れる。そこから流れていく人のにぎわいとか活力のようなものが生まれてくる。楽しませてくれる飲食店やお店など、そういうものが少しずつできてくるのでは。」
―――――
3人が描く『まちづくり』のビジョンとは・・・。
■無所属・新 早武淳候補(60)
「将来利益を生んでくれるだろうと思われる可能性の高い投資を中央区に集中的に行う。これ自体は賛成。僕の場合、にいがた2kmじゃなくて古町花街を中心とした夜。周辺区は中央区からおこぼれをもらう存在ではなくて、役割を明確化してそれぞれの地域が何をすべきか・何を分担するのかを分かりやすく伝えましょう、という2本柱。」
■無所属・新 青木学候補(60)
「中心部への集中投資だけでは8区の多様性は広がらない。各区の中心となる産業や地域事業を、各区の中で方向を定めてそこに対して支援をしていく。多様性に満ちた豊かなまちになっていく。」
■無所属・現 中原八一候補(67)
「新潟駅周辺整備事業が一区切りを迎える。そこから新たなまちづくりの展開が始まる。駅南から開発が進む鳥屋野潟周辺ここまで、将来 新潟の都心軸という形でまちづくりを進めていきたい。」