2026.11.05【特集】佐渡市の15歳〝昆虫愛〟で起業「昆虫と人との懸け橋に」【新潟】
2025年の夏『むしじかん』を起業した上之山篤人さん(15)
佐渡市に住む高校1年生が2025年の夏に起業しました。〝昆虫と人との懸け橋になりたい〟昆虫愛で起業した15歳の素顔に迫ります。
佐渡市に住む上之山篤人さん(15)。昆虫が大好きな高校1年生です。この日は市内外から子どもたちが集まり、佐渡の自然に触れあいながら稲刈りや生き物探しを行います。主催した『イケベジ』は佐渡を拠点に農薬や化学肥料を使わず、酒かすやカキの殻など島の資源を活用したコメ作りを行っています。
また、子どもたちに体験や学びの場を提供しています。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「生き物を見つけたら僕のところに来てください。」
上之山さんは講師の一人として招かれました。子どもたちは、はじめに黄金色に実った稲を鎌を使って手刈りしました。
昆虫を好きになったのは小学1年生のとき。旧新穂村にある生椿(はえつばき)集落で、たくさんの生き物に出会ったことでした。自宅近くにある田んぼや畑・山や川に行っては、生き物を捕まえて飼育をしていたと言います。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「昆虫や自然は美しいし、生き物一匹一匹、一人一人に感情があるように思えて、すごいかわいいし かっこいい。」
小学校5年生のときに総合学習の一環で『昆虫博部』を立ち上げた上之山さん。中学を卒業するまでの5年間で、昆虫採集のツアーや展示など様々なイベントを企画してきました。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「そのプロジェクトを続けていくなかで起業家の方と出会い、起業を勧められたのがきっかけです。」
2025年の夏『むしじかん』を起業し、個人事業主になりました。業務の一つは〝生き物調査〟です。佐渡市の認証米には年2回の生き物調査が必須のため、上之山さんが農家のサポートを行っています。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「利益というよりは社会貢献というか、昆虫や自然に目を向けてもらいたいという気持ちがあるので、目標に近づけるために色々な人に魅力を伝えている感じ。」
楽しくて何度も読んだ『図鑑』。昆虫の写真を見ながら自然と名前を覚えていったといいます。一推しは〝カマキリ〟です。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「しぐさが人間くらい表情豊かで、感情や気持ちを感じさせるような行動をするので、すごいいいなと思う。」
上之山さんは、市内の佐渡高校に通っています。将来は大学への進学を希望していて、現在は仕事と学校生活との両立を図っています。学校では、休み時間や昼食のときに友達と話をすることが楽しみだと言います。
同級生にどんな人か聞いてみると・・・。
■上之山さんの同級生
「普段から人付き合いとか勉強とかすごい頑張っていて、周りとかよく見えていたり誰にでも変わらず接するところがいい。」
■上之山さんの同級生
「虫に関しての知識が豊富で、誰よりもそういうネタで盛り上がれる。知識の深さは友達として自慢できる。」
2026年9月、訪れたのは市内の小学校。講師として将来の夢について語りました。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「昆虫と人との懸け橋になって、姿を消しつつある自然の守る力になれたならと思って活動している。」
児童には、夢を形にする楽しさや自分の「好き」を追求する大切さを、自身の経験をもとに語りました。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「あらためて僕がみなさんに伝えたいことは、好きを大切にということです。人生経験がまだまだ足りない学生の私たちが自分の夢とか見つけたり、世界について知る方法だと思います。」
話を聞いた子どもたちは・・・。
■小学5年生
「仕事を立ち上げるのはすごい大変なことだけど、恐れることなくチャレンジしていてすごいと思った。」
■小学6年生
「私も好きなことを仕事にしてみたい、興味が湧いた。」
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「昆虫いたらここら辺に集めてもらって、帰ってきたら最後に僕が解説する。」
稲刈りのあとは『生き物探し』。田んぼ周辺で虫を探します。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「これはキリギリスの仲間で、クビキリギス。これはアマガエルですね。」
これまでに地元の松ヶ崎地区で発見した虫は約170種。環境省のレッドリスト『絶滅危惧IB類』の〝ヨツボシカミキリ〟なども発見したことがあります。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「これもチョウセンカマキリかもしれない。コモリグモの仲間、おしりに卵をつける。」
子どもが虫を持ってくると名前を当てていきます。田んぼにいる昆虫はだいたい分かると言います。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「大きい蝶がキアゲハ。ナミアゲハとキアゲハが似ているが、キアゲハはセリ科の例えばにんじんとか食べるし、ナミアゲハはミカンの葉を食べる。」
イケベジの本間涼代表は、上之山さんの起業を後押しした一人です。上之山さんには、次の世代のリーダーとして期待していると話します。
■イケベジ 本間涼代表
「佐渡は先人たちがトキのためにつむいできた財産があるので、次世代にしっかり自分たちが新しい形で残していきたいと思っていて。これから芽が出ていく人たちのなかでも、一番最初に取り組んでくれている人なので、これからも一緒に佐渡を田んぼから盛り上げていくパートナーでいてほしい。」
起業から1年3カ月、上之山さんの夢とは・・・。
■むしじかん 上之山篤人さん(15)
「具体的には決まっていないが、環境問題が心配されているからこそ昆虫と自然と人間をつないでいって、一人でも多くの人が自然に目を向けて自然にやさしくなってくれたらうれしいと思っている。それにつながるような活動ができたらなと思っている。」