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2026.10.20【特集】先天性の疾患を抱えながら優勝投手に!感謝のマウンドへ 野球少年の決断【新潟】

【特集】先天性の疾患を抱えながら優勝投手に!感謝のマウンドへ 野球少年の決断【新潟】
先天性の疾患を抱えながら大好きな野球に打ち込む中村充輝くん
柏崎市に住む『ある野球少年』の姿を追いました。先天性の疾患を抱えながら大好きな野球に打ち込み、この夏、全国の頂点に立った少年。

彼はこれからの人生のために大きな決断をしました。葛藤を乗り越え、集大成の試合に臨む姿を取材しました。

8月に行われた学童野球の全国大会で、県勢として初優勝を果たした『柏崎STARS』。柏崎市・刈羽村・出雲崎町の選手で結成された選抜チームです。全国制覇を果たしたチームで、優勝投手となったのが・・・。

抜群のコントロールが光る6年生の中村充輝(あづき)くんです。

■中村充輝くん(6年)
「全国大会はとても緊張して、とりあえず頑張るしかないと思った。野球人生で一番うれしかった。」

仲間たちからの信頼も絶大です。

■チームメート
「ピンチの場面でも落ち着いてアウトを取っていたので、すごいと思った。」

■チームメート
「仲良くプレーしている。」

■チームメート
「いろんなバッターを抑えるところがすごい。」

■中村充輝くん(6年)
「みんな優しいです。」

チームの頼れる存在である充輝君。じつは生まれながらあるハンデを抱えています。充輝君は、中村家の3人兄弟の末っ子として誕生しました。

■母・可奈子さん
「生まれたときに言われたのが、10万人に1人の病気で顔の不形成が特徴的。まず耳がない、両耳がない小耳症、口蓋裂(こうがいれつ)という病気も持っていたので、すぐ大学病院のほうに転院してしばらく入院もしたし、半年間、経管栄養でミルクを摂取していたりした。」

医師の診断は『トリーチャーコリンズ症候群』。顔や頭の骨格の形成不全などを特徴とする先天性の疾患です。充輝君は両耳の形成が不十分な小耳症で、聴力に障がいがあります。

■母・可奈子さん
「伝音性難聴なので補聴器をつけて生活しているのですが、みんなが思う耳掛けタイプの補聴器は耳がないことによってできないので、ヘアバンドで補聴器をつけている。これが骨伝導といって骨を伝って音を吸収している。」

■中村充輝くん(6年)
「近い距離だったら聞こえるけど、遠い距離だったらあまり聞こえない。」

■母・可奈子さん
「保育園のときに上の兄たちと同じ保育園に通いながら、年少・年中は長岡の聾(ろう)学校の幼稚部で2年間 親子で私も仕事をやめて2人で長岡まで通って、小学校は地元に帰ってきました。いまも難聴特別支援学級で支援を受けながら、言葉や聞こえについての勉強をしている。」

そんな充輝君が野球と出会ったのは、小学2年生のときでした。

■中村充輝くん(6年)
「(きっかけは)お兄ちゃんの野球を見て自分もやりたいと思ったから。」

■兄・吏輝(りつき)さん
「(全国優勝は)びっくりした。自分も全国に行きましたけど、そこまでの成績は残せなかったので、すごいの一言。」

■中村充輝くん(6年)
「(Q.お兄ちゃんを超えたね?)はい。」

■父・竜也さん
「全国優勝は本当にうれしかった。生まれてきたときは野球ができるとは思わなかったので、まさかこうなるとは思わなかったので、めちゃくちゃ本当にうれしかった。」

■母・可奈子さん
「キャプテンをはじめ、ピンチのときでも『大丈夫だよ』とすごく声をかけてくれて、みんなで守ってくれている光景に本当に感動した瞬間だった。」

■中村充輝くん(6年)
「(Q.涙が見えたがどんな気持ち?)感謝の気持ち。『大丈夫だよ』とみんなが支えてくれるから。」


仲間とともに、大好きな野球に打ち込んできた充輝君。今年、葛藤のなか〝大きな決断〟をしました。

■中村充輝くん(6年)
「心配です。嫌だなと思った。野球ができなくなるから。」

■母・可奈子さん
「この冬に札幌市の大学病院で耳の形成手術、軟骨を使って耳の形を作る形成手術を受ける予定でいます。」

2月に予定している耳の形成手術。胸骨と肋骨(ろっこつ)をつなぐ『肋軟骨』という組織を使って耳を形作ります。体に負荷がかかるため、少なくとも1年間は運動ができなくなる可能性があるといいます。

■母・可奈子さん
「耳の形成手術で聴覚が良くなるわけではなくて見た目。耳ができることによって、マスクや眼鏡もできるようになる。本人は正直やりたくないということだったけど、長い人生のなかで必要なものなので手術を受ける予定。」

■中村充輝くん(6年)
「野球ができなくなるのは、とても悲しいです。」


―――――
この日は、小学2年生のころから所属するチームでの最後の活動『ナイター親子試合』に家族みんなで参加します。

■中村充輝くん(6年)
「(Q.誰との対戦が楽しみ?)お父さん。しっかり三振で抑えたい。」

■父・竜也さん
「たぶん打てないと思う。全国優勝ピッチャーなので。」

■母・可奈子さん
「(Q.どちらを応援する?)充輝を応援します。」

試合前、充輝君はある大役を任されていました。

■中村充輝くん(6年)
「宣誓、お父さん・お母さん、明日の筋肉痛を恐れず、全力で走って、全力で投げて、全力で打ってください。そして僕たちも成長した姿を見せられるように、笑顔で楽しく最後まで全力でプレーすることを誓います!」

1回、先発マウンドに上がった充輝君。まずは、母・可奈子さんとの対戦です。三振を奪うと、2回には楽しみにしていた父・竜也さんとの勝負。セカンドゴロに打ち取りました。

そして、3回ウラ、充輝君が打席に入ると竜也さんがマウンドへ。

「カキーン」
大きく成長した姿を両親に届けました。

■中村充輝くん(6年)
「(お父さんは)バットに当ててほしかったです。」

■父・竜也さん
「当たったよね?当たらないと思ったけど、凡打でもバットに当たってよかった。」

■中村充輝くん(6年)
「(Q.お母さんとの対戦はどうだった?)正直簡単でした。」

■母・可奈子さん
「親子みんなで楽しくできてよかった。生まれたときにはどうなるかなと思ったけど、こんなに立派になって。本当にチームメートのおかげで楽しい学童野球生活が送れた。」

■中村充輝くん(6年)
「(Q.いま両親にどんな言葉を伝えたい?)まずは『ありがとう』。また野球をやって、また自分が活躍して恩返しがしたい。」

充輝君の野球人生は、始まったばかりです。
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