2026.10.30【特集】〝唯一無二〟のこだわり 140年続く洋食器店【この町で~愛される老舗~|新潟】
創業140年を迎える『大橋洋食器』
新潟市中央区にある140年続く洋食器店に密着しました。「時代」と「客」に合わせた唯一無二の食器に迫ります。
華やかなスイーツの数々。その美しさを引き立てる『食器』に注目したことはありますか?
■大橋洋食器 会長 大橋恵津子さん
「気持ちを上げてくれるもの、食卓を輝かせてくれるものですね。」
新潟市中央区本町通。創業140年を迎える『大橋洋食器』です。家庭用の皿やコップ・カトラリーなどの他、レストランやホテルなどプロ向けにも食器を販売しています。
案内してくれたのは会長の大橋恵津子さん。店の2階はオリジナル食器のショールームです。
■富沢菜々アナウンサー
「すごいいっぱいありますけど、これ全部お店のオリジナル食器ですか?」
■大橋洋食器 会長 大橋恵津子さん
「そうです。」
数ある食器の中でとくに大切なものがあります。宮城県・石巻のすずり石で作った食器です。17年ほど前に会長の夫で4代目社長だった厚男さんが、食器ではめずらしかった『すずり石』に着目。2億年以上前の地層が生み出す漆黒が、あらゆるジャンルの料理を引き立て人気を呼びました。
■大橋洋食器 会長 大橋恵津子さん
「この商品をきっかけにして、オリジナル商品を作っていく方向にかじを切りました。起点となった商品で、とても大切に思っております。」
自社工場を持たず、燕三条地域の金属加工や加茂の組子など、専門工場と手を組んだオリジナル食器を製作。各分野の職人とつながることで伝統技術も取り入れ、これまでに1000種類以上のオリジナル食器を生み出しました。
■大橋洋食器 会長 大橋恵津子さん
「陶器・陶磁器だけでなく金属・木材・ガラス、いろいろな素材のものを扱うことができるのが大橋洋食器の特徴であり、強みかなと思っております。」
もうひとつ、こだわりが光るロングセラーシリーズがー
釉薬(ゆうやく)による淡い模様が目を引く『EDEN(エデン)』シリーズ。一番の特徴はこの形状。盛り付けでソースやドレッシングを乗せやすいよう平らな面を広くとりながら、数mmの傾斜をつけることでこぼれにくさも両立。ホテルやレストランなど、現場の声から生まれた商品です。
■企画部 榎並沙也加さん
「お客様の力もあって、こういった商品を開発することができています。」
こうした唯一無二の食器は、どのように誕生するのでしょうか。オリジナル食器のデザインを担う工房へ。この日の作業は『ユニークベース』という商品の製作。透明なトレーの中身を変えて様々な世界観を表現するもので、今回のテーマは“秋”です。
■商品事業部コーディネート担当 小島秀樹さん
「深まってきた秋で、落ち着いた秋の公園を散歩している中で食を楽しめるようなイメージ。」
デザインのヒントは、生活の中にあると言います。
■商品事業部コーディネート担当 小島秀樹さん
「新潟はいろいろな四季が見られるところがたくさんあります。そういうところに出かけたときには、なるべくいろいろなものを見て『こういうものが秋らしい表現なんだな』『こうすると夏らしい表現になるな』そういうものはなんとか仕入れられるようにはしています。」
特注の食器は3Dプリンターで形作り。見た目だけでなく、運びやすさや耐久性といった機能面もこまかく修正するため、完成まで1年かかることもあるそうです。
■商品事業部コーディネート担当 小島秀樹さん
「あくまでも僕らが作っているものは、料理を引き立てるための額縁のような存在なので、これが主役になってはいけない。」
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新潟駅前でスイーツを提供する『デセールサロン エテ』。5年ほど前から大橋洋食器のオリジナル食器を使っています。
■デセールサロン エテ 塚本夏輝さん
「ホテルで勤めていたがそのなかで違う食器があるなというので、よくよく聞いてみたりとか自分で調べたりすると、大橋洋食器さんのもので。きっかけやひらめきをくれる。こういうふうに盛り付けたらいいよと、そういうことが伝わってくる。」
使う側の気持ちにも変化が。
■デセールサロン エテ 塚本夏輝さん
「つねに成長しているのが大橋洋食器さんだと思っていて、自分も負けじと頑張ろうという気持ちになる。このお皿たち使っていると。すごくポジティブな気持ちになる。」
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大橋洋食器は、1886年(明治19年)に輸入ランプを取り扱う会社として創業。その後、電気の普及など時代の変化を受け、ランプと同じガラスや陶器を使う洋食器へと転換することになりました。
■大橋洋食器 会長 大橋恵津子さん
「文明開化でそういった需要も出てきていたということだと思いますし、周りにそういうものを販売しているところがなかったこともあって、それなりに需要はあったのだと思います。」
しかし近年、量産化やインターネットの普及などで簡単に安く食器が買える時代になり、新たな付加価値を求めて踏み込んだのが〝オリジナル食器〟でした。2016年には海外展開もスタート。その翌年には、香港の百貨店に常設の売り場ができるなどアジアを中心に受け入れられています。
■大橋洋食器 会長 大橋恵津子さん
「インバウンドの方々にも好評でありますし、日本の工芸品の持つ魅力・品質の高さが評価されているのではないかと思っております。」
4年ほど前に店舗の2階にキッチンスタジオを設置。現在はカフェとして営業していて、食器は店のオリジナル商品を使用。実際に使い心地を確かめることができます。
■富沢菜々アナウンサー
「すごい軽い、持ちやすいです。華奢な印象ですけど手に馴染む感じがしますね。なめらか、すごく切れ味がいいです。」
マグカップの飲み口も。
■富沢菜々アナウンサー
「飲むところがちょうどいい厚さで、すっと入ってきました。よりコーヒーがおいしく感じられそうです。」
■大橋洋食器 会長 大橋恵津子さん
「そもそもの店の存在を知っていただけるきっかけになったり、お客様との新しいコミュニケーションの機会が生まれたと思ってとても喜んでおります。」
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老舗でありながら、つねに時代に合わせた食器づくりを追求してきた大橋洋食器。この先もそのスタイルは変わりません。
■大橋洋食器 会長 大橋恵津子さん
「変化を恐れずに新しいものをどんどん取り入れていく。『一番古くて一番新しい』そういう会社にして、これからも食器を作っていければいいと思います。」